颯ちゃん、今年もまた天使記念日がすぎていったよ。
キリスト教では命日ではなく、昇天記念日というけれど、
もっと颯ちゃんに似合う言葉がほしくて、ママが作った言葉。
毎年カサブランカの花を飾り、教会で記念式をやってもらう。
99年の天使記念日は、聞けないままだった解剖結果を聞きに
病院へ行ったり、やっぱりこの日は何年経ってもなによりも大切で特別な日。
ママは颯ちゃんが天使になった頃がんばりすぎちゃって、
その反動で毎年春になると心がきしんでしまう。
でもこの天使記念日がすぎれば元気になるって暗示をかけて、
かろうじて「ただ」生きてきた。
いつも白い霧の中にいるような気がして、
どこかにきっとある光のドアを探してもがいてる。
そんなママを颯ちゃんはどう見てるんだろう・・・