風の馬〜天使の贈り物〜

写真:颯馬 写真:颯馬 写真:颯馬

 

 颯馬の軌跡 

 
1997.5.12 妊娠中毒症で「お腹の中で育っていないから出しましょう」と
      通っていた産婦人科で言われていたため、この日入院

1997.5.15 4日間の誘発分娩の末、夕方4時54分にようやく生まれる
      お腹にいたのは38週ちょうど < 体重2498g>< 身長47.5cm>

1997.5.19 ママだけ退院、哺乳力が弱いため颯馬居残り

1997.5.21 颯馬なんとか退院

1997.5.29 心雑音があったため予約していた県立小児医療センターに軽い気持ちで出かける
      検査の結果、左心低形成症候群と診断され緊急入院 <体重2882g>

1997.5.31 29日に続き、病気の詳しい説明
      手術をするか内科的治療のみか、私達が颯馬の人生を決めなければならない!

1997.6.2 ・・・結論は、手術に賭ける!

1997.6.3 手術についての説明

1997.6.9 手術・麻酔・輸血等について最終説明と同意

1997.6.12 朝8時面会 パパとママの顔を見て急に泣く <体重3153g>
      8時30分~23時30分 15時間に及ぶ手術
      手術成功!が、命の危険があったため、胸を閉じずにCCUへ
      -目を覚ますと心臓に負担がかかるため、それからずっと麻酔をかけたまま-

1997.6.16 午前、少しだけ胸を閉じる
       午後3時、容態急変
       午後5時30分、天に召される
       夜、経過説明を受け、その後解剖に承諾する
1997.6.17 前夜式(通夜)・自宅18時

1997.6.18 葬・浦和斎場(現・さいたま市浦和斎場)14時

1997.6.22 告別式・日本キリスト教団 埼大通り教会15時


 颯馬の奇跡

 
1997.5.29 入院当日、病院で言われたこと。
     「何事もなく今まで生きていたのが奇跡」
      普通は2~3日で突然死してしまうらしい。
1997.6.12 手術の日、体重が3000gを越えていた!
     すごいことらしい。ミルク大好き!
     毎日よく飲んで病棟で「くいしんぼ颯ちゃん」と呼ばれていた。

     手術は予定時間を超え、夜8時の時点で「出血多量のため状況は厳しい」と
     言われていたのにCCUに戻ってきた!パパ、ママと約束したからだよね。

1997.6.13-16  手術後、胸を閉じていないためずっと麻酔をかけたまま。
     一日数十分の面会時間以外は、ママの声をカセットにいれ時々かけてもらった。
     かけてもらうと変化があったらしい。眠っていてもちゃんとわかるんだよね。

1997.6.16 最期の日、連絡を受け、ママが先に病院に着いた。
     その時はもうすでに時間の問題と言われ、会社から1時間半ほどかかるパパは。
     間に合わないだろうと思われていたけれど、颯馬は待ち、ようやくパパ到着。
     そしてその瞬間、0に近かった心電図が正常に戻り、しばらく続く。
     パパを待っていた颯馬。
     麻酔で意識はないはずなのに。
     その時、周りに必ずいたであろう天使たちが笑っていたはず。
     がんばったね、と頭をなでて誉めてくれたのだと思う。