風の馬〜天使の贈り物〜

写真:颯馬 写真:颯馬 写真:颯馬

 

 生きるために (written in 1998.6.1)

 
颯ちゃんの心臓は ほとんど半分しかなくて大動脈も細いから、
手術をしないと あとほんの少ししか生きられない。
だけどその手術は とてもとても難しくて成功率はわずかなもの。
もし手術をするのなら、いつ閉じてもおかしくない動脈管が閉じる前。
なるべく早い時期。

29日に続き、31日に医師からの説明。
そして6月2日までに手術をするかどうかの結論。
たった2日でママとパパは 颯ちゃんの一生を決めなければならなかった。

手術をしなければ、薬だけの治療になるから
ミルクも飲めるし家にも帰れるかもしれない。
だけどそれは確実に「死」に向かうこと。
いくら動脈管を開く薬を飲んでいてもいつかは閉じてしまう。
それは明日か、1ヶ月後か・・・


 

 
この病気は生まれてすぐか、
生後2、3日で突然に危篤状態で
病院に運ばれることが多いらしい。
出生前検査でもわかるらしいけど。
だから颯ちゃんのように何日も普通に生活を
していたなんて本当に奇跡だったみたい。

それぞれの状態によって、手術は初めから
無理という場合もあるらしいけれど、
颯ちゃんは大動脈以外は良い条件だった。

同じ病気で生きている子もいる!
颯ちゃんは奇跡の子だから きっと助かる!


 

 
・・・パパとママは、颯ちゃんが生きるために 手術を決めた。